【設計士が語る】自邸設計のこだわり 〜外観編〜

こんにちは、河合工務店です。

今回から、河合工務店の提携設計士と当社社長による、
自然住宅対談の様子をお届けいたします。

初めての対談の場所となったのは、いちかわつくみ建築設計室の市川邸。
神奈川県某所にある市川邸は、都心から1時間程度という立地にも関わらず、緑豊かな場所に佇む別荘風の家。
自邸を建てる時、設計士はどのようなところにこだわるのでしょうか。
是非ご一読ください。

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市川:
子どもが小さかったので自然の中で育てたくて、色々探しました。土地を探しはじめて、目星をつけて、ここに迷わず一発で決めました(笑)。
土地や周囲の環境を見て、方向性はほとんど決まっていました。

河合:
どのような方向性ですか?

市川:
この風景をどのように活かすか、あとは土地の気候などを考えた設計かな、と。
まわりがだだっ広いから最初から大きな家を建てるつもりはなくて、平屋のイメージでした。
あとはこの集落に馴染むように。ここだと屋根型が大事だと思っていて、裏山とも調和するデザインにしました。

伊藤:
最初お家を見た時に2Fの窓を見て、茅葺屋根についている「はっぽう」みたいだな〜と思いました。昔からの暮らしに根付いたデザインですよね。

市川:
そうなんです、光を入れるために設置しました。

伊藤:
平屋風なんだけど2Fも確保していて、屋根のシルエットのバランスが綺麗ですよね。
どうしても家を建てる時は間取りに意識が向きがちですけど、このように景色の綺麗なところに家を建てる時は「自分も風景の一部になる」と考えるといいですよね。

河合:
奥様のご意見などは伺いましたか?

市川:
ほとんど聞きませんでした(笑)細かいところは聞きましたが、大枠は僕が決めて「こうなったよ」という事後報告です。

伝統的な技も取り入れながら建てた市川邸は、その土地に馴染みながらも、いい意味で目を惹かれる。
そんな魅力あふれる外観でした。
伊藤さんの設計士ならではの指摘には、参加メンバーは大きく頷くシーンでした。

次回の自然住宅対談レポートも、どうぞお楽しみに!


【参加メンバー】
いちかわつくみ建築設計室 市川創己
高岡建築設計事務所 高岡正道
レインファーム一級建築士事務所 伊藤有吉子

モデレーター:河合工務店 河合稔

【設計士が語る】自然住宅に目覚めたきっかけとは?

こんにちは、河合工務店です。

今回から、河合工務店の提携設計士と当社社長による、自然住宅対談の様子をお届けいたします。
自然住宅を作り続けているプロが考える、「自然住宅の在り方」とは?
是非ご一読ください。

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【自然由来のものは治癒力を高めてくれる】
そう語るのは、レインファーム一級建築士事務所の伊藤さん。
「喘息持ちで生まれてきた私に、両親が『自然のものは治癒力高めてくれる』と、小さな頃から自然素材でつくられたものに囲まれて暮らす環境でした。だから私にとって自然住宅は身近なものですし、自然住宅に住む良さも実感しています。

【自然の中にいるのが、一番居心地がいい】
高岡建築設計事務所の高岡さんは、「人間は自然の一部」と語ります。
「生き物はすべて自然の一部です。それは人間だって同じこと。だから自然の中にいることが、一番居心地がいいのは当たり前のことなんです。自然住宅に目覚めたのは、それが一番の理由ですね(笑)。」
都会で暮らしていると、人は知らない間に気を張っているようです。
せめて家は、ほっと気を抜けるような居心地のいい住空間にしたいですね。

【究極は「土に還る」ということが魅力】
「実は自然住宅にそこまで興味はありませんでした(笑)。」と赤裸々に話してくれたのは、いちかわつくみ建築設計室の市川さん。
「もともと建築に憧れていました。大学へ進学して、森林破壊などの環境問題に向き合う様になって、徐々に自然住宅を意識するようになりました。自然住宅のいいところは、なんといっても土に還るところ。循環型住宅を叶えられるのは、自然住宅だと思っています。」

同じ自然住宅の設計士でも、それぞれ自然住宅に興味を持ったきっかけが違うところがおもしろいですね。
みなさんはどのようなきっかけで自然住宅に興味を持ちましたか?
機会があれば、ぜひお話ししましょう。

次回の自然住宅対談レポートも、どうぞお楽しみに!

【参加メンバー】
いちかわつくみ建築設計室 市川創己
高岡建築設計事務所 高岡正道
レインファーム一級建築士事務所 伊藤有吉子

モデレーター:河合工務店 河合稔

「伝統美」と「環境」を追求した家

【陶芸作品を引き立てる木目美しい自然木の棚】

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筑前小石原焼の壺や皿がズラリ並ぶのは、リビングにある自然木のカウンターや棚。その材は、御山杉、ケヤキ、高野槙などの木目が美しい銘木で、建て主のH様により収集された陶芸作品を引き立てています。

H様が、お母様と住まう古いご自宅の建て直しを、私たちにご依頼されたのは、当社で新築された陶芸仲間のご友人の紹介から。美術作品に求められるよう細やかなご要望があり、基本プランから設計まで時間をかけ、綿密な打ち合わせを行いました。テーマは、渋谷区の住宅街という都心に「昔ながらの家を創る」こと。

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日本の住文化が蓄積し、連綿と伝え洗練してきた「美」を、今に蘇らせるというプランを、大工が完全に施工し形にすることは、とても困難でしたが、やりがいがありました。

【「蔵」をイメージした外観と「木の展示場」の内観】
正面壁は漆喰仕上げで、心豊かな暮らしを思い起こさせる「蔵」をイメージ。屋根は入母屋造りで、いぶし瓦が輝きます。腰壁は、瓦の佇まいに気品を添える、昔ながらの杉の下見板貼り。外観そのものが、都心の街並みに伝統的な建物の風格を漂わせます。

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室内も工夫をこらしました。「天井は高め」と要望されたことから、通常は柱の長さ3mのところを3.6m加工して立て、圧迫感のない開放的なリビングとなりました。構造材には多くは杉が使用されますが、柱・梁ともに、耐久性・耐水性の優れた桧を使用。大黒柱は、当社所要の栃木の山で、H様立ち合いの元に伐採された杉の丸太で、思い出深いもの。床柱には、天然の絞り丸太ほか、屋久杉、イチョウ、槙などで彩りました。まさに、選りすぐりの国産木材の展示場のよう。国産の多種多様な自然木を大量にストックしている、当社だからできること。

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細部まで「美」にこだわります。襖の引き手には刀の鍔を、建具のガラスには伝統工芸士作られた江戸切子、壁には漆喰仕上げと和紙貼りといった具合。

【中庭を設け、風通し良く、日射しを温かに受ける家に】
「昔ながらの家」が大切にしたもう一つは「環境」です。

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敷地は、京町家のような縦長の形状。そこで中庭に空庭を設け、1階居間と2階の通風と採光を確保しました。空調に頼らない、風通しの良い、太陽の熱をいっぱいに受ける家となりました。日本の温暖化する環境を考えれば、石油・電気・ガスなどのエネルギーを極力使わないことが、なにより大切です。

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素材は、見える部分、見えない部分に限らず、すべて自然素材、国産材を使用。海外の遠い豊かな森を乱伐して木を得る「環境破壊型」でなく、国内の伐るべき木を利用して林業を盛りたてる「環境共生型」の家づくりを私たちは目指しています。それには、接着剤に頼らず、伝統的墨付け、手刻みなど、職人たちの手による心のこもった仕事が絶対に必要なのです。「美」と「環境」を追求したH邸は、自然と一体となれる、呼吸の楽な家になりました。
by 河合工務店施工事例2020.08.27

コストを押さえつつ、大空間を実現

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【間仕切りを少なくし、伝統的な田の字プランに】
井之頭公園の緑の小道を通り抜けると、丸窓と朱色の壁が印象的なS邸が目にとまるでしょう。なんとこの家には、玄関がありません。ドアを開けるなり、ロフトまで続く直径30cmの太い大黒柱を思わず見上げてしまいます。間仕切壁を限りなく少なくし、経済的にも負担をかけない、伝統的な田の字型プランの家です。土地は27坪、建ぺい率40%、容積率80%と厳しい高さ制限の中で、いかにオープンで楽しい空間にするか、苦心しました。

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居間の西側は、天井まで届く本棚で、その一部が風抜きの窓に。木の階段も、居間を彩る構造物として白壁に映えています。床は地面から60cm上にあり、人が楽々と出入りOK。部屋が広々と使えるよう建具を最小限にしたため、1階の洗面入口や2階のクロークルームにはあえて建具は置きませんでした。2階の階高は低いのですが、屋根の容積をいっぱいに取り入れ、斜め天井にすることで、解放感ある空間に。ベランダは、1階居間の南北に向かって4mの幅をとって張り出しました。

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【建て主自身が、建物全体の壁を漆喰で塗り上げる】
コストを押さえつつ、S様ご夫婦の思い描かれる家を、どう実現させていくかが課題となりました。建物全体の壁をご自身で塗られると強くご希望されたのもその一つ。壁一面をお客様に塗っていただくことは多々ありますが、建物全体は当社も経験がありませんでした。塗り壁の良し悪しは養生(建材や塗装するところが汚れないようにすること)で決まるといいますが、その作業をお手伝い。脚立の上に乗ったり、慣れない高い所での難しい作業なども、職人たちのアドバイスやサポートを受けられ、なんとかやり遂げられました。大変ご苦労されたようですが、その分思い出に残り、愛着ある家になったのではないでしょうか。

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1階の天井もコスト削減のためにはらず、2階床がそのまま1階の天井裏に。ただ、通常は、配線関連を考えて、下階に天井をつくり、上階の床との間にスペースを設けることをお勧めしています。

【浴室・洗面所は、職人の手でスペインタイルを貼る】
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大工も大いに腕を振るいました。浴室はユニットバスではなく、現場施工の手づくりです。浴室や洗面所のタイルは、モルタルの上に直接接着剤で貼るのが一般的。ここでは「ダンゴ貼り」といい2〜3cmの団子状の塊にしたモルタルを、スペインのタイル一枚一枚貼り付けました。おかけで、どこかエキゾチックで美しい水回りとなりました。このような仕事ができる職人を探すのは、もう難しいかもしれません。

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この家はもちろん、当社では、徹底して環境に負荷のかからない自然素材の家づくりにこだわってきました。森林を破壊しない、健康に気遣うとなれば、合板、塩化ビニールなどは使えません。工業化し、画一化した住宅産業では、そんな家づくりはできないでしょう。自然素材を巧みに組み上げるには、熟練の職人の手による伝統工法が最適なのです。もし、遠い将来、私たちの家が廃棄処分となっても、環境を汚さず、自然の循環に帰っていく家づくりを目指しています。
by 河合工務店施工事例2020.08.25

八角形の居間が家族を大らかに包む

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【「じめじめした家」が「光と風の家」に大変身】
直径30cmの桧の大黒柱が中心軸になって、ぐるりと囲むのは、なんと八角形のK邸居間。栗板のフローリング、小上がりの3畳の掘り炬燵スペース、キッチンを大空間が包みます。見上げると、大黒柱が、手斧で穿った赤松の水平梁と、コーナーから伸びた登り梁をしっかり受け止めています。まさに河合工務店の蓄積した大工技術の結集。合板だらけの2×4(ツーバイフォー)や、機械で仕口をカットするプレカット工法が99%となった家づくりの中では、もう稀有な技だと自負しています。

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この真新しいK邸は、JR高円寺駅から徒歩5分ほどの閑静な住宅街に建つ平屋です。K様のご実家であったRC造2階建てを建て替えたもの。敷地は南北に長い110坪。奥様の悩みの種であった「風通し悪く、コンクリートの壁がじめじめする古い家」は、劇的に、風と光が気持ちいい木の家となりました。

【三大美林「秋田杉」を盛り上げるプロジェクトとして】
大黒柱は、K様ご夫婦が、河合工務店が所有する栃木県の黒羽の山の大木を、自ら切り出されたものです。それ以外の構造材には、秋田杉を多用しました。これは、秋田上小阿仁村(マタギの村)の村長との出会いがきっかけです。

ある時、村長が当社を訪問されて、こう誘われます。「日本の三大美林の一つである秋田杉も需要が激減。このままだと、中国に買い取られてしまう。ぜひ、秋田に来て、秋田杉の素晴らしさを見てください」と。そこでツアーを組み、建築関係者40人ほどで村にうかがうと、村は私たちをあたたかく迎えてくれました。役場で村の現状についてミーティングを受け、山を見学。村長の計らいで、内陸線の電車を止め、美しい山村のパノラマを披露してくれたことも、良い思い出となりました。続く宴会、交流会を通し、林業経営者の話を聞くにつれ、「ぜひ、秋田杉を一軒分使った家をつくりたい」と、河合工務店・孝社長(現会長)が決心。K様ご夫婦に提案すると快諾されたので、この「秋田杉の家」が実現しました。

【採光、通風、プライバシー確保の難題を解決】
東西とも住宅が密集していたので、設計では、採光、通風、プライバシーの空間をいかに確保するかが大きなテーマとなりました。敷地が広いので平屋のプランにしたのですが、なかなかの難問です。
採光では、地盤面から80cmのところに1階床面を上げることで、陽がよく当たるように。通風では、東西、南北、十字型に風が通るように間取り。そのため、居間・畳コーナー、寝室、キッチン、2階小屋裏のどこにいても、自然の涼風がそよぎ、吹き抜けるようになりました。

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プライバシーの確保では、和室の北と東に、地窓を鍵型に配置。また、東側にベランダを設けることでプライバシーを確保しつつ、寝室とふれあいの場に採光と通風をもたらしました。ご主人は、畳スペースの掘りごたつで、一杯飲んでころんと寝るのがお気に入り。竣工後間もなく、お子さんがお生まれになり、13畳の小屋裏がやがて子ども部屋となる予定とのこと。家は、生き生きと過ごす家族を見守っています。
by 河合工務店施工事例2020.08.20

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