ルーブル美術館の館長が絶賛した、藍染スニーカーの技

【藍染レザースニーカー2】Bluestoneと河合工務店 
<4回シリーズ>

こんにちは、河合工務店です。


木のパネルに貼られた藍染レザースニーカーのパーツ。
上に藍染の表革、下に裏革・本底が配置されている。
シンプルかつ洗練されたデザインと、
靴職人の高度な技術が、一目で分かる。

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<店内に飾られている、藍染レザースニーカーの
パーツを配置したボード>


「Bluestone」のホームページで掲載していた
このパネルの写真を見て、感銘したのがなんと
フランス(パリ)・ルーブル博物館の館長。
「並びにある、アールデコ美術館に展示したい」
というオファーが、
デザインナーの赤理さんに届けられた。
「ヨーロッパ中世からの靴の歴史を紹介する展覧会に、
ぜひ出品を。現代に至り、海向こうの日本で、
天然の藍で染めたスニーカーが出現したことを
紹介したいのです」と。
ただ、現物は運搬が難しく、
モノはあちらで再構成したそうだ。


そもそも革の藍染というのは、
相当に難易度の高い技術である。
「天然の革に、藍の葉というのは、
まったく相性がよくありませんから」と、赤理さん。
「革を普通に染めると、革繊維が固くなったり、
紙みたいに破れたり。
兵庫県たつの市の革工場と藍染職人の共同開発は、
試行錯誤を繰り返した結果、6年ほどがかかりました」。


かかわる職人は、その世界では名だたる人が並ぶ。
藍師は、外山良治さん。5軒残る藍師の一人で、
無形文化財技術保持者である。
染め師は、京都の「浅井ローケツ」
2代目の浅井直幸さん。
天然灰汁発酵建本藍染にこだわる。

まさに、この藍染レザースニーカー、
日本職人の伝統技が結集した総合芸術。


(文責/ライター上田隆)

大工職人とシューズデザイナーの仕事が響き合う空間

【藍染レザースニーカー1】 Bluestoneと河合工務店1 
<4回シリーズ>

こんにちは、河合工務店です。


深い藍色の艶やかな革。
「気品漂うスニーカー」と称したくなる藍染めの革靴が、
無垢の板に並ぶ。
ここ東京・日本橋のビルの地下1階にある
「Bluestone」のスペースは、一見靴の店とは思えない。
アートを展示している、白壁の「ギャラリー」のよう。

内装を手がけたのは、河合工務店。
発注し企画したのは、
興和インターナショナルのデザイナーの赤理浩一さんだ。
社内でブランド「Bluestonre」を立ち上げ、
その見事な靴をデザインしたご本人である。

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<デザイナーの赤理浩一さん>


ビル5階全体が会社の所有で、吹き抜けのある
地下倉庫を店舗として改修。
1期工事では、地上から下の店に、
直接お客様を招く階段を設置。
中段・下段にそれぞれ1枚ずつ無垢板を、藍で染めた。

2期工事で、赤理さんは、天然の無垢材と
鉄骨で組み上げた商品棚をつくりたいと提案。
板はワックスをかけず、経年変化を楽しめるようにした。
藍染スニーカーが、
年ごとに味わい深い色になることに合わせて。

「普段から知人より河合さんの仕事を
いろいろ聞いていたんです。
特に、ふんだんに使う無垢の木に心惹かれていました。
素朴で飾り気がないのですが、
かえってそこに”飾り気”を感じます。
色を塗ったり、アンティークな加工したりすれば、
一瞬はかっこいいんですけど、すぐに飽きてしまう」と、
赤理さんは語る。


そんな感性が、河合工務店の大工と
シューズデザイナーの仕事を響き合わせた。
だからか、ここを訪れた多くのお客様が、
「落ち着きますね」と。

(文責/ライター上田隆)


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<無垢板が、藍染スニーカーの美しさを引き立てる>

江戸の火消につながる町鳶としての誇り

【町鳶の心意気4】小泉工業 4 <4回シリーズ>

こんにちは、河合工務店です。


江戸消防記念会の第九区六番組に
所属する小泉工業。
同会は、江戸時代の町火消しに由来する
町鳶の団体で、地域の伝統行事を担う。


「お祭りでは、
神奈川県の氷川神社のご神体を移設して、
地元の中野沼袋氷川神社に、
神様をお迎えするお仮小屋を設営します。
お神輿(みこし)の組み立て・解体・移動も
私らの仕事です」と、専務の小島さんは説明する。

「氏子の各玄関や軒先に提灯をぶら下げます。
注連縄(しめなわ)にしても、
パパッとしばって終わりでなく、
キュキュっと心を込めてしばっていく。
暮れになれば、門松など正月のお飾りも手がけます」。


江戸消防記念会の成り立ちを聞けば、
話が300年さかのぼる。
「江戸時代、幕府や大名の屋敷専属の火消はいましたが、
庶民の家からの大火が収まらない。
そこで、大岡越前守忠相が、各町会の鳶職を組織して、
『いろは四十八組』の町火消をつくったんです。
当時は、建物を破壊する消火法だったので
、鳶職がうってつけだったんでしょう。
火の中に飛び込む気概を持つ者も多かったそうですし」。

この町火消の組織を、
昭和14年に再編成して発足したのが
江戸消防記念会である。小泉工業もこの年に加盟した。

継承される半纏(はんてん)は、町鳶としての誇りである。
「冠婚葬祭に着て行ける日本人の紋付袴、
今の黒スーツと同じ。私たちの業界では正装です」。
K邸の上棟式に、
半纏姿で挨拶された小島さんの姿を思い出す。


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<K邸宅の上棟式で、半纏姿の小島さん。
集まった子どもたちにジュースを配る>


どんな会社にしたいかと最後に尋ねる。
「現状維持というのも一つなんですけど、
それは『後退』と同じ。
若い子が集まれる、活気がある元気な会社にしたい。
それには、つらい・汚い・危険の3Kを、
いかに少なくしていくかですね」。


(文責/ライター上田隆)

by 河合工務店町鳶の心意気2021.07.23

ベトナム技能実習生の意欲が素晴らしい

【町鳶の心意気3】小泉工業 3 <4回シリーズ>

こんにちは、河合工務店です。


小泉工業は、12人態勢。
鳶職の会社としては、大きい方だ。
それでも「人材の確保には、とても苦労しています」と、
専務の小島さん。
「10年ほど前からも、3K(きつい、汚い、危険)と
言われてきた業界。
若い子が、なかなか来てくれません」。

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<建築現場>


そこで、ベトナムの技能実習生を2人、
受け入れることにした。期間は3年間。
「とてもよく働いてくれます!
母国で多少の実習期間を経て、日本に来てますが、
実際の現場では正直通用しません(笑)。
できないんだけど、自分から『何かしよう』という
強い気持ちが伝わってくることに、
いつも感心しています」。

「言葉の壁」はあるが、仕事には支障ないという。
「『この部材を袋に入れる』
『これをあそこに持っていく』と
いう指示を、身振り手振りで伝えます。
理解すると、同じことをずっと実直にやってますよ。
『休んでいい』の言葉が分からないので、
ひたすら作業してる。それぐらい一生懸命」。

賃金は、日本人の同じ年代と同等。
「ただ、ベトナム本国の中間機構が定めた規定では、
現場で作業した時間給にしてくれと。
でも、それだと実働5、6時間にしかならない。
うちの場合、事務所に来た時点で始めて、
そこに帰っておしまいとし、
平均7,5時間ぐらいになるようにしてます」。


稔社長が、「本音で言えば、日本人の若い子に
来てほしいのでは?」と質問。
「理想と現実は違います。
日本人がどんどん来てくれるならいいですが、
それはもう無理です。
だったら、ベトナム人の実習生に来てもらうことは
本当にありがたい。
彼らが仕事を覚えて、母国に帰ったとき、
『日本で、小泉工業のキヨってのがいてよぉ、
こう教えてもらったよ』なんて言ってくれれば、
すごく嬉しいですし」。

(文責/ライター上田隆)

by 河合工務店町鳶の心意気2021.07.20

事故・ケガは「お客様にご迷惑」と、常に自戒

【町鳶の心意気2】小泉工業 2 <4回シリーズ>

こんにちは、河合工務店です。


鳶さんの仕事は、危険がいっぱいだ。
だから、現場でのかけ声は、自然大きく荒っぽくなる。
「おい、あぶねぇぞ!」
「ストップ! ストップ!」「ダメだよ!」と。

怒鳴られている、という感じはしないのか?
「それはないですね。
私なんか、昔から職人さん見てますから。
素直に、『危ないことやっちゃった』と反省します」と、
専務の小島さん。

最近の若い人であっても、委縮することはないという。
「この業界に入ってくる子は、おじいさんが大工とか
お父さんが建築屋とかなんで。体育系も多いですし。
『叱られてる』と落ち込んでる子は、もたなでしょう」。

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<江戸時代から続く町鳶の伝統を
引き継ぐ小泉工業>


当然、足場など高所の作業は、一番危険だ。
しかし、かえって気を引き締める。
「実際には、基礎工事といった低いところ、
高さ1mから1m20pで、よく事故が起こるんです。
脚立から足を踏み外して転落し、
打ちどころが悪かったという事例がたくさんある。
下に鉄筋でも出ていれば、死亡事故にもつながります」。

仕事で一番気を使うことは、
お客様に喜んでもらえること、納得してもらえること。
「なにより事故・ケガを出さないことです。
そうなると、部材などが建物に当たって
キズをつけてしまう、工期が遅れる、
お住まいになるところなので縁起も悪い。
さまざまなことで、お客様にご迷惑をおかけしてしまう。
工事現場はもちろん、通勤途中の交通事故もそう、
『表に出たら、すべて危険』だと、
自分も含め、社員に言い聞かせてます」。

(文責/ライター上田隆)
by 河合工務店町鳶の心意気2021.07.16
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